曲げ木のはなし

椅子製作に欠かせない工程の「曲げ木」。

板状の木材に熱と水分を加えて

プレス機械で求める具合まで曲げます。

あとは、その状態のまま高周波を当てて

入れた分の水分を抜き取ってから乾燥させます。

 

   

  

「ピーッ!ピーッ!」」

たまたま曲げ場を通りかかると

機械音が鳴り響きだしました。

これは真空釜で木材が蒸し終わった合図。

せっかくなので写真を撮りながら追ってみましょう。

 

真空釜に入れられて熱と水分を含んだ木材。

ここからプレス機に行くまでは時間との勝負。

  

  

蒸された材料をまずは金物にセット。

これは帯鉄と呼ばれる曲げ木専用の道具で、

曲げるときに木材が折れるの防ぐ役割をします。

  

 

そうして次はプレス機の中へ。

蒸した木材の熱を冷まさないように

水分が抜けないように素早くセットします。

 

 

「グググ...」と重い機械音を立てながら

油圧プレスの力で木材が曲げられていきます。

作業者にとってここが一番緊張するところ。

  

ここまで来るのにいくつかポイントがあります。

元々の木材料の状態(含水率や木目)、

釜での蒸し加減、帯鉄やプレス機のセットの仕方など。

上手くできてないと綺麗な弧を描かないか

最悪の場合「バキッ!!」と折れてしまいます。

 

このあとも高周波を当てて水分を抜き取るときや

乾燥させるのにもコツがあり、

マニュアル通りなんてなく

経験や感覚がものをいう仕事です。

 

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