未だ、世界にないものを。
なぜつくるのか。何のために椅子をつくるのか。
宮崎椅子製作所の思いは「未だ、世界にないものを生み出したい」
それが、ものづくりを継続していくための原動力だと信じています。
椅子は暮らしの道具です。快適に座ることができ、丈夫で使い勝手が良く、見た目にも美しいものでありたい。
そして、工学的、マーケティング的な洗練を追求して良いものをより安価にお届けすることは、メーカーにとって大事な使命です。しかし、理屈を詰めるだけで良い椅子は生まれるでしょうか。
消耗品ではない木の椅子をつくるメーカーでありたいと思っています。
愛され、長く使われる椅子。空間を豊かにし、幸せな時間を生みだすもの。
人の心を揺さぶり、沁み入り、感動や嬉しさを湧かせるもの。
そんな椅子を生み出し世界にお届けするために、未だ世界にないものを生み出す思いを胸に抱え、宮崎椅子製作所にしかできない木の椅子をつくり続けます。
できること、知っていること、ものづくりはそれだけじゃない。

プロダクツ&クラフツの椅子づくり
工場には、昔ながらの木工道具や木工機械からコンピュータ制御の先進機器や加工ロボットまでありますが、これらをどう使いこなすかは人の頭と手です。先進機器もハンドツールも使い方次第。機械の良さと手仕事でしかできないことを融合させ、新しいつくり方をいつも考えながら独自の製品づくりに取り組んでいます。使う人の心に伝わることを目指し、工業製品ではなくプロダクツ&クラフツと呼べる椅子づくりをしています。

デザイナー小泉誠氏と開発担当スタッフ
デザイナーとの共創で「初めて」に挑む
良質なデザイン、未だ知らないデザイン。新しい製品開発に絶え間なく取り組んでいます。開発のパートナーは、国内外で活躍するデザイナーたちです。デザイナーと職人で、知っていることとできることを単に足し算するのではなく、初めてのこと、やったことのないこと、できないと思っていたことに踏み込む。「うまくいきそうだ」よりも「こんなことができるのだろうか」に立ち向かうことで乗り越えられるハードルもあります。
デザイナーと職人のやりとりは工場で行います。試作した現物を互いの目の前に据えて、問題点や改善点を洗い出し、その場で手を加えて削ったり組み直しながらデザインの精度を上げていきます。図面やCGには現れなかったことを確かめ、意匠性と構造、座り心地についてデザイナーと職人が共に手を動かしながら五感と勘を働かせます。「できた!」という感動を得られたときが完成です。
既知の判断基準にとらわれず、「何でも最初ははじめてだ」の心構えで、できないこと、知らなかったこと、見たことのないものに挑んでいます。

世界とつながる小規模メーカー
鏡台用のスツールの下請け工場として1969年に設立した宮崎椅子製作所は、2000年から自社ブランドのオリジナルデザイン開発に着手ました。当時のスタッフは総勢20数名でした。それ以降オリジナル製品づくりは着実に成果を上げ、現在は約40名となっていますが、規模を大きくすることは目指していません。全員がそれぞれを分かり合いながらものづくりに取り組むチームでありたいと考えているからです。ひとつのチームであることによる敏捷性、柔軟性を生かして新しいことに挑む自由度を高めたいと思っています。
小規模メーカーですが、世界で通用するものづくりを目指しています。2012年からミラノのデザイン展に出展し続け、最近はニューヨーク、上海にも毎年出展。海外での実績を着実に重ねています。地域や時代にかかわらず、いいものはきっと伝わる。徳島を拠点に、世界にお届けする椅子をチームワークで生み出し、つくっています。

つくることに専心するために
宮崎椅子製作所は営業部門を持たず、つくることに専心しています。私たちの製品をユーザーに届けてくれるのは、国内外のパートナーショップです。国内においては、約220の家具販売店・インテリアショップが宮崎椅子製作所のものづくりを深く理解してくださりユーザーに製品を届けてくれるとともに、使い手の声を私たちにフィードバックしてくれます。
海外においてもディストリビューターと信頼関係を結び、展示会や販売を共同で推進しています。もっとも早く進出に取り組んだヨーロッパでは着実に輸出実績を上げています。ニューヨーク、上海でも毎年デザイン展に出展することで、Miyazaki
Chair
Factoryの知名度を上げることに取り組んでいます。そのほか、オーストラリア、香港、台湾、シンガポール、カナダ、ブラジルにおいても特約店を有しています。
このように、国内外のパートナーショップと連携することで営業・販売体制をコンパクトにして、製品づくりと新しいデザイン開発に専心しています。

日々の仕事と晴れ舞台
スタッフの仕事は、基本的には製造職か事務職のいずれかです。
製造職は、木取り・木地加工・組立・裁断縫製・布張り・検品出荷のいずれかを担当します。すべての工程を理解し技術を習得するために、それぞれの工程をローテーションしながら経験を重ね技術者・職人になっていただきます。デザイン開発は本人の希望をたずねながら、製造の仕事と並行してプロジェクトに参画してもらいます。自らデザインして自分のデザインを製品にしたいという取り組みもサポートします。
事務職の仕事内容は、国内外の受発注業務とユーザーからの問い合わせ対応です。つくる現場とパートナーショップとの相互コミュニケーションの橋渡しをクリエイティブに務めています。貿易担当は、海外デザイナーとのやりとりも務めていただきます。製品知識を深め、工場稼働状況を把握し、パートナーショップや海外ディストリビューターと連携し、ユーザー動向を理解することなどが役目です。希望する事務職スタッフは、製造職を兼任することもあります。
こうした日々の仕事に取り組みながら、年に数回実施する国内外でのデザイン展はスタッフにとっての晴れ舞台です。展示会を企画し、会場に立ってパートナーショップと交流を深め、新しいパートナーとの出会いを探索します。日々を重ねながら、つねに未だ知らない新しい何かを目指す。思いが実を結ぶものづくりを継続していきたいと考えます。

宮崎椅子製作所は、若干名となりますがスタッフ採用の門戸をいつも開いています。木工の経験や熱意のある方だけでなく、未経験者でもこれまで宮崎椅子製作所のことを知らなくても、「未だ世界にないものをつくる仕事」に興味があればお問い合わせ・ご応募を受け付けます。
- ものづくり、デザイン、木工、家具に関わる仕事がしたい。
- 世界に届ける製品づくりに興味がある。
- 手を動かす仕事がしたい、営業や販売はやりたくない。
- 顧客とやりとり、コミュニケーションする仕事がしたい。
- 貿易事務経験、英語力を生かした仕事がしたい。
力まず、かしこまらず、働き方や仕事内容についてお互いに確かめ合いましょう。