椅子製作は木取り場からスタートします。木材の適材適所を見極め、割れや節などの欠点を見抜き、一枚の板を必要な寸法にカットしていきます。木目や色合いを考慮しながら、板座やテーブル天板の貼り合わせも行います。
また、高温の水蒸気とプレス機による曲木加工もしています。
木取りは、木材を無駄なく有効活用し、見た目の美しさを左右する重要な工程です。

木地場は、新鋭のCNC工作機械と年代物の機械を駆使して形をつくり出します。機械加工で生じた刃物跡やバリは研磨工程で落としていきます。人の手によって一つ一つ丁寧に磨き上げ、細部までこだわって均一に仕上げています。
実直な手仕事と、精密な機械加工によって複雑な形状の加工を可能にしています。

組場は椅子の木部を完成させる工程です。樹種や椅子ごとに細かな加減が異なるので、手作業で仮組をして仕上げにプレス機を使って圧着します。一日に何十脚と組み立てるため、正確かつスピーディーさが求められます。ダボ打ち、組み、プレス、のり拭きと流れ作業で行う組場は、チームワークを大切にしています。
また、椅子の修理も主に組場で行っています。

裁断場では、布や革などの様々な生地を椅子に合わせて最適なサイズにカットします。一枚の生地から完成形をイメージし、柄の見え方や生地の状態を観察しながら、ロスの少ない裁断を心がけています。
縫製場では、裁断された生地パーツの特性を見極めながら、ミシンで丁寧に縫い合わせます。繊細な手加減によって、難しい立体や曲面を美しく仕上げていきます。

張り場では、椅子の座面や背クッションの仕上げを行っています。木地加工された合板や芯材に、クッションとなるウレタンフォームを貼り合わせ、布や革などの張り地を張っていきます。
椅子張りは、座り心地と外観を大きく左右する重要な工程になります。いかに美しく、座り心地の良い椅子を仕上げるか。手先の感覚を磨きながら、日々丁寧な仕事を心がけています。

出荷場では、座面を取り付け、完成した製品を隅々まで検品しています。不具合がないか、一脚ずつ厳しくチェックしていきます。梱包では、配送時に傷がつかないよう丁寧に梱包します。お客様に無事に届きますように、末永く使ってもらえますように。最後の工程の担当として、お客様の立場になって思いを込めて検品、梱包をしています。

本人の希望、適性、経験によりCADやCNCルーターのプログラミング等を習得することで、新製品開発のプロジェクトに参加できます。先進の機器を操作できるようになり技術者としてステップアップを果たせば、デザイナーとのやりとりだけでなく、自身のデザインを製品化することにも役立ちます。
入社３年で開発メンバーに抜擢されたり、自らデザインした製品が国内外で販売されデザインロイヤリティを得ている先輩もいます。やる気次第で成長の機会がどんどん与えられます。

お客様から製品の注文を受け、取りまとめ、現場に指示を出します。
やり取りするのは、国内の約220店舗ある家具店・インテアリアショップや、ヨーロッパを中心とした約10か国の海外代理店の方々です。

英語を使って海外の取扱店とメールのやり取り（受注、問い合わせ、修理対応）を行います。
海外デザイナーと製品開発を行っているときは、デザイナーとのやりとりの橋渡し役を担っていただきます。
また、デザイナーや取扱店が海外から来社した際の通訳業務、英文での翻訳業務、海外展示会での業務など、英語力を活かして仕事をしていただけます。

現場の製造スタッフと日々コミュニケーションを取りながら、生産スケジュール調整のサポートを行います。

国内、ミラノ（イタリア）、ニューヨーク（アメリカ）、上海（中国）で開催する展示会にて、取扱店や国内・海外のデザイナー、新規の取引希望の会社の方との情報交換や新製品の説明を行います。

その他、資材の発注業務や協力会社への指示、修理依頼への対応、来客対応、新製品や展示会の情報発信など様々な業務があります。
お客様と会社を繋ぐ窓口であると同時に、会社の重要な中継地点として幅広い役割を担っていただきます。